当法人のルーツは、1972年に設立された市民ボランティア団体「杉並・老後を良くする会」にあります。
これは杉並に住む主婦たちが「安心して暮らせる地域を作ろう」と、自分たちで立ち上げたもので、近隣に暮らす高齢者の身の回りのお世話などから、その活動をスタートさせました。
このような市民活動を基盤として発展してきたことが当法人の最大の特徴であり、活動の根本には、地域の人々の暮らしに寄り添った草の根の想いがあるのです。
私たちが法人の理念として掲げているのは、「できるだけ自由に」「どこまでも対等に」「他者への思いを生かし合う」ということ。
1番目の「できるだけ自由に」というのは、例えば、施設で画一的に「食事はこの時間」「入浴はこの時間」と決めてしまうのではなく、自宅で生活していたときと同じような自由な暮らし方を利用者の方に維持していただくようにすることです。
利用者目線で育ってきた組織だからこそ、こうした発想を大切にしているのです。
2つ目の「どこまでも対等に」というのは、利用者と職員があくまでも対等な関係であるということです。
福祉施設では、ともすれば利用者の方が「入居させてもらっている」という風に、自らを卑下してしまうようにもなりがち。
しかし、利用者は職員と一緒に施設を作るパートナー。
何でも忌憚なく言っていただけるよう、「聴くこと」を大切にコミュニケーションをとっています。
3つ目の「他者への思いを生かし合う」と言うときの「他者」とは、施設に直接的に関わっていはいないけれども、同じ地域のなかで生活している人たちのことです。
私たちが取り組んでいる活動は、高齢者だけの問題ではなく、地域全体の安心な暮らしに関わるもの。
私たちが培ってきたものを、地域全体のネットワークのなかで役立てていこう、という思いがこの言葉には込められています。
社会福祉法人サンフレンズが地域に必要とされ、新たなニーズに対応できる存在としていくためには、何よりも役職員はもとよりご利用者・ご家族、後援会、地域住民、ボランティアなど多くの方々の知恵をいただくことが大切だと思っております。
社会福祉法人サンフレンズ理事長 土屋 俊彦